Webサイトの改善点を導き出す手順―アクセス解析とヒューリスティック分析をどう使う?

もっとコンバージョンを増やしたい!と思った際に、自分のWebサイトの課題を考えますが、そのアプローチには、大きく分けて2つの方法があります。

定量解析
定番のアクセス解析『過去の事実を統計し、定量的な分析をする方法』

定性解析
定番のヒューリスティック分析『Web分析の専門的な理論かつ客観的な知識を元に、定性的な分析をする方法』

ともに単体で分析としてある程度の課題を見つけることができますが、その双方をうまく絡めると、よりスピード感のある解決策を講じていくことが可能です。

アクセス解析では、「数字という事実に基づいて、課題がある場所を特定できる。」という結果を得られます。
一方、ヒューリスティック分析では、「客観的に正しいとされるカタチに基づいて、課題がある箇所を特定できる。」という結果を得られます。

ヒューリスティック分析の客観的な正しさというのは、多くの方が好ましい、あるいは作り手側がこうあるべきというものも多いため、それに基づいて変更した結果が、確実に改善されるとは言い切れません。人は感情的な生き物ですので、論理が常に正しいとは言い切れないからです。

ヒューリスティック分析のリスクを回避する上で、アクセス解析が役に立ちます。アクセス解析で「ここが確実に悪い」とわかっている箇所に、ヒューリスティック視点の論理を持ち込めば、改善できる確率は高くなるからです。

双方を仕事として手がけてきた個人的な経験で言えば、

  1. アクセス解析で課題があると断定できる場所を見つける。
  2. 1で見つかった箇所を起点に前後のページや多くの方のページ遷移プロセスを辿り、ヒューリスティック分析を行い、課題箇所を特定して改善を立案する。
  3. 1と2を改めて照合して、改善方法に矛盾が生じないかを確認する。

 

という順序で行うと、うまく行くことが多いです。もちろん、さらに競合他社等、ベンチマークするWebサイトのヒューリスティック分析を行えば、より確度の高い改善を行えます。

アクセス解析、ヒューリスティック分析の一方だけでは「何故?」と「どうすれば?」の答えに欠くことが多いので、双方をバランス良く行い、”Cause in fact” を見つけてスピード感のある改善を行いましょう。

こうしてまとめると、やはり Google は恐ろしいですね。アクセス解析の定番までなった Google Analytics と Search Console を有しただけでは無く、ヒューリスティック分析の視点を持っている PageSpeed Insights と Mobile-Friendly Test まで解放しているわけですから。