BtoB企業こそ、クロスデバイスへの戦術立案が重要
アクセス解析の大きな弱点の一つが、”カウントの単位が端末である” ということです。
インターネットアクセスの大半が、PCだけであった頃はこれで問題なかったのですが、現在はそうでないため、”1訪問者≒1人” の乖離が大きくなってしまっています。
BtoCやCtoCの商材を扱う企業は、スマホ偏重、Webサイトよりもアプリまで踏み込んでしのぎを削っている時代です。ですが、BtoB企業にはまだスマホは早いと思っておられるのであれば、「別にそんなに言うほど早くないですよ、もう。」と申し上げたい。
『スマホは直帰率高いから』を冠詞にしたPC偏重主義は、先細りします。もはや、BtoB企業でさえもこの考え方は危険です。と申しますか、BtoB企業こそ、この考えを持つべきではありません。
スマホデバイスの訪問者が直帰するのも、コンバージョンしないのも当然です。なぜなら、企業で使うサービスを担当者がスマホで問い合わせたり、発注するのは気が引けるからです。
まず第一に、いくらUI頑張っていただいたとしても、企業名やら何やらを打ち込むのが非常に面倒。特に問合せなんか複数社に同じ事をする訳ですから、コピペも大変大変。(※)
では、BtoBサービスを探すのに、スマホは使わないのでしょうか?スマホで見つけた会社には、その後入力が面倒だから絶対に問合せしないのでしょうか?
いや、そうではないですよね。スマホは情報収集のためのファーストチョイスとなるデバイスです。ちょっとした時間や、フランクに誰かと会話している時に気になってさっと調べるには、PCより明らかに都合がいいものです。(ちょっと前まではノートPCを引っ張り出してた光景ですが。)
で、その方々は、スマホで見つけてその後どうするかというと、自分の席に戻って、PCで改めて見るわけですね。
そうです。1人が2訪問者になり、コンバージョンはPCデバイス側に1カウント。ですが、このコンバージョンは、スマホサイトがちゃんとしていなかったら生まれていないコンバージョンですよね。
もっと言えば、スマホサイトがちゃんとしていることに加えて、スマホサイトが検索等にちゃんと引っかかり、PCサイトもスマホサイトを見つけたもらった際と同じ行動で見つけてもらえるように、どうしなければならないかを考えておく必要があります。
最低限このあたりには気を配っておけば、スマホで見つけた後、PCで見つからずに機会損失となることは防げるでしょう。
- SNSアカウントを開設しておき、企業の基本情報や特長を載せておく。
- スマホサイトに、URLをメールで(PCに)投げられる仕組みを置いておく。
- 社名や製品名で検索した際に、スマホでもPCでも出るようにしておく。
これ以上は、その扱う商材などによって踏み込む度合いは違ってきます。
このコラムのテーマとしては、クロスデバイス戦術の価値を、アクセス解析の数値から判断すると損をするというお話でした。
※30代前半とかもっと若い方達とか、逆にバリバリやってる50~60代の社長さんとかは、スマホでそのまま問合せしてきますけど、凄いっすね。