Search Console モバイルユーザビリティレポートの罠

Google は、しきりにモバイル(スマートフォン)を重視した Webサイト構築を提唱しています。統計によっては、Webアクセスの半数超がスマートフォンからというデータもありますから、Google が言わなくても、多少は気になりますよね。
Search Console には、PageSpeed Insights の簡易版とも言える、モバイルユーザビリティレポートというものがあります。

 

Search Console モバイルユーザビリティレポート

Search Console モバイルユーザビリティレポート

このモバイルユーザビリティレポートですが、Google のスマートフォンクローラーが分析した結果を統計したデータになります。エラーとして検知され、分類されるのは以下の様なものです。

  • 互換性のないプラグインを使用しています
  • ビューポートが設定されていません
  • ビューポートが「端末の幅」に収まるよう設定されていません
  • コンテンツの幅が画面の幅を超えています
  • テキストが小さすぎて読めません
  • クリックできる要素同士が近すぎます

 

これらの評価項目において、Google が設定している基準を満たせば(得点を得れば)『有効』、そうでなければ『エラー』としてページがカウントされます。上記の図の通り、エラーが 0 だと、ホッとしますね。

と、ここでホッとしてしまうのが、罠です。
このエラーの判定がくせ者なのです。何がくせ者、罠なのかというと、このモバイルユーザビリティレポートは、常に満点であることを有効のハードルとしているわけではありません。例えて言えば、5点満点中 3点を取れば『有効』のようなハードルが設定されています。
つまり、あるページに、上述のエラー分類『テキストが小さすぎて読めません』に該当してしまう箇所が、1箇所だけあったとした場合、ほぼ確実にこのページは『有効』に分類されるわけです。
ですが、実際には問題が存在しているわけで、このレポート以外(例えば検索結果表示順位の判定基準)においては、減点が発生する可能性は十分あります。

表面上の『有効』を過信しすぎないように、PageSpeed Insights などの他に詳細を得られるツールの結果も参考にしつつ、小さな問題を見つけて改善するようにしましょう。