CMS を切り替えた際に、Google からサイトが消える!? SEO分野の落とし穴に注意
サイトの規模が大きくなるにつれ、使用している CMS を乗り換えるということがあります。CMS を乗り換える際には、一時的ですが、Google の検索結果からサイトが消失する可能性がありますが、状況によっては、これが一時的ではなく、永続的に起こってしまうことがあります。
検索結果からの集客に大きなマイナスが発生する可能性、期間をできるだけ小さくする上で、以下の様な事に注意してください。
- 現在の CMS と乗り換え後の CMS で URL 構造がどう変わってしまうのかを把握しましょう。
- URL が変わってしまうページの現在と乗り換え後の対照表を作成しましょう。
- URL が変わってしまうページリストに関して、旧から新への 301 リダイレクトを確実に設定しましょう。それが面倒であれば、最低でも旧 URL のアクセスは、正しく 404 ステータスを返すように必ずしてください。
- 新 CMS によって作成されたサイトの Google 向けサイトマップを生成し、Search Console から登録しましょう。
以上は、主に URL が変わってしまうページへの対応であって、極端な話、上記の様な対応を全くしなくても、一時的な損失だけで済んで解決することが多いです。ただし、3点目のリダイレクトまたは 404 応答だけはやっておかないと、新ページが旧ページのコピーとして見られてしまい、永続的な除外に繋がる可能性があります。
以上で終わり。と言うわけではなく、本当に永続的な問題になりやすいのは、上記に当てはまらない、CMS 変更前後で URL が変わらないケースです。原因は Google のブラックボックスの中ですが、推定される原因として以下の様なものがあります。
前提として「旧ページのクロールが、相当な期間されていない(ページが公開された時点以降クロールされていないなど)」ケースで発生する代表的な例と、それ以外を挙げます。
まず、旧ページのクロールが、相当な期間されていない場合は、以下の 3 つの原因による問題が発生しやすいです。
- CMS の換装により、再クロールされることになり、他のサイトにも載っている記事と近似している、HTML のバージョンが古いと判断されたなどです。
- CMS の換装により、再クロールされることになり、かつてと内容が同じであるため、古い情報と認識されて除外されてしまう。
- 以前のクロールと再クロール時点の Google のロジック差による除外。例えば、ページタイトルがユニークでない、オリジナルな文字量が少ないと判定されるなどです。
そして、最も気づきにくく、かつ、難しい状況例が、「CMS につきまとう、重複 URL の存在」です。ページリリース時に物理ファイルを実際に生成する形でない CMS が該当します。疑似静的 URL をプラグインなどで持つ形式の CMS は、裏側に動的な URL が存在しており、当然 CMS によって生成ルールが異なります。この違いにより、旧サイトの動的 URL だけにクロールが行ってしまい、404 エラー。結果として Google からサイトが消失するということが起きえます。これは、canonical 属性タグが書いてあるから起きないとは断言できません。確実に確認する方法は、Apache などの Webサーバ が記録するアクセスログを参照する必要があります。
結構特殊でレアな状況も挙げさせていただいたかもしれませんが、むしろ他で見かけない状況について書かせていただきました。もし、『CMS を変えたら、Google からサイトが消えた!』とお困りの方で、これによって解決に至った方がいれば、嬉しい限りです。