英語版サイトはあるのに海外からのアクセスが異常に少ない

このコロナ禍においても、BtoB 企業の Webサイトへのアクセス、そこからのコンタクトは多少の減少はあるものの、思ったよりも減少幅は小さく、冷え切っている国内向けの非 Web 経由の新規開拓よりはハードルがむしろ下がったのではないかという印象があります。
こうした状況はさておき、よく、英語版の Webサイトを持っているが、アクセスがほぼゼロであるという、表題のような相談を受けることがあります。中には、多少の広告宣伝をしているがそれでもほぼゼロであるという相談もあります。
広告がどういう形式でどのような条件で表示されるのか、海外からのアクセスが実際どうなっているのかを確認していないことで、こうした問題が発生していることさえ気づかない例もあります。

『海外向けなんかやっても無駄だ』と結論づける前に、少なくとも、海外にあるプロキシサーバをブラウザに設定し、実際に海外からアクセスしている状態にして、広告を実際にクリックしたり、Googleで検索して結果を確認したり、自社の Webサイトを表示させたりといった、実態を確認しておきましょう。
すると、以下の様な事実が判明することがあります。

事象1.Google の検索結果に自社の英名で検索しても全く出てこない。

事象2.出稿したはずの広告が全く表示されていない。

事象3.自社の Webサイトにアクセスできない。

これらは、日本国内向けではまず起きない、起きても真っ先に気づくことですが、海外では違います。

事象 1 の原因ですが、これは様々なことが推定されます。

  • 汎用JPドメインなど、日本国内向けのドメイン配下に Webサイトをホストしている。
  • レンタルサーバの大元の設定で、海外のクローラーをブロックしている。
  • HTML 上の言語宣言が間違っている。
  • 英語サイトが、どこからもリンクされていない。
  • 英語サイトといっても、1 ページ物とかで、それ以外のページは全て日本語である。

上の3つは完全に 海外の Google を排除してしまう原因になります。

 

事象 2 の原因ですが、かなりテクニカルなものと、まさかというものがあります。

  • 接続元の IP アドレスや OS の言語設定により、表示するしないを選択している広告である。(そして、その表示相手が間違っている。)
  • 実は出稿されていない。

2 つ目は冗談ではなくまぁまぁあります。詐欺ではなく、単に出稿設定を忘れていたとか、発注が通っていなかったとか、審査で実は止まっていたのにその連絡が全くないとか、とにかく日本なら大クレーム、大事故なのですが、海外ではちょっとした連絡ミス程度の感覚で起こります。
とにかく、出稿したい相手(国や言語)に出稿されているか確認を依頼することで予防しましょう。

 

事象 3 の原因は完全にサーバによるものです。

  • レンタルサーバの大元の設定で、海外からのアクセスをブロックしている。
  • 通信に時間が掛かりすぎていて、サーバの強制タイムアウト設定に引っかかってしまう。

発注すれば特に難しい設定もなく開設できる共用レンタルサーバなどは、こうした設定が掛かっていることが実際にあります。設定を確認してブロックを解除したり、状況によってはサーバを変更するなどの対応が必要です。

折角グローバルに打って出ようと思った際には、初歩で躓かないように以上のような点に注意しましょう。