離脱率という数字はノイズが多い

Webサイトの欠点を分析しようと思った際には、『どこで人が離脱したのか』という点に着目することでしょう。
その際に参照するのが、直帰と離脱です。この流れは間違いではないのですが、数字をどう読むのかという点においてはいくつか考慮すべきところがあります。

直帰については、その背景の多数派は『見てみたが自分が望む物ではなかった』か『そのページのみで満足した』かのいずれかと言っていいでしょう。いずれにしても、直帰が多い、直帰率が高いページは、改善すべきと捉えて特に問題はありません。

ただし、離脱については少々背景が複雑です。全てではないですが、以下のようなことが考えられるためです。尚、いずれも冒頭に “何ページか見たが” が入ります。

  • 期待外れの内容だった。
  • 総じて満足した。
  • 時間が足りなかった。
  • 続きは改めてじっくり見ようと思ったので、一旦離れた。

 

後半の 2 つの理由は、その離脱を記録した単体のページに問題があるとは言い切れない背景になります。そもそも、冒頭に “何ページか見たが” が入るので、離脱数・離脱率という数字は総合的な訪問者行動の経路全てを見た上で扱う必要があります。
離脱を課題指標として扱うならば、経路全体を点検するという視点を持たなければ、正しい改善策を見いだすことはできません。

尚、直帰も離脱にももう一つのシステム依存の理由である『一旦用事ができたので長時間離席、あるいは他の情報を見てから、改めて見た。』ケースもあります。BtoB 企業サイトであれば、他社と比較検討しながら見ているケースも想定されるため、これも考慮すべき点かもしれませんね。

数字の単なる高低だけではなく、その背景を読むことがアクセス解析においては重要な行為です。