PageSpeed Insights が提示する課題点を改善しても 100 点が取れない!?
という表題のような相談を受けたことがあります。相談されたページを PageSpeed Insights にかけて調べてみると、改善できる項目に課題が出ていて、どう考えても 100 点になるわけがない。課題残ってますから、100 点にはならないですよと、もう少し話を聞いてみると、改善できる項目を一つ一つ対応して潰して行っているが、一向に点数が上がらないから、これ以上やっても 100 点にならないよね?ということでした。
PageSpeed Insights を使うと、分かりやすく要改善点が表示されるので、一見その指示に従っていけば、いずれ 100 点を取れるように思えて、実際やってみたらそうではない事に気がつくというのはよくあります。そもそも、「合格した監査をいくら増やしたところで必ずしも正比例して 100 点に向かうわけではない。」のが、PageSpeed Insights です。
この誤解ですが、監査項目は全て『失格が 0 点で、合格が 5 点のように、常に加点方向に向かう得点レンジを持っている』というイメージをされているのが根本にあるのでしょう。実際のところはそうではなく、特に速度系統の項目は、その実測結果に応じてマイナス方向に大きな得点(減点?)を持っていて、他の合格して加点されている部分を相殺してしまうことが起こりえます。
考え方として、監査結果は、所詮ページの完全な出力とユーザーの操作が可能な状態になるまでにかかる時間を短縮するために、主要な方法論を示しているだけで、極論、それら方法の結果としての PageSpeed のみが得点になると捉える方がどちらかと言えば正しいです。
診断結果として▲が出ているものの解消だけに目を向けるのではなく、サイトの現状を鑑みて結果としてページ表示にかかる速度を改善する方法を検討する視野の広さが、結果として PageSpeed Insights でスコアを向上させることでしょう。