Google Analytics のビュー分け
Google Analytics は、「組織>アカウント>プロパティ>ビュー」という階層構造になっています。1企業の場合、すべての階層に1つずつ含まれた形で利用しているか、Webサイトを複数持っていて、プロパティだけが複数ある形になるケースが多いと思います。
ですが、いざ分析を行ってみようと思うと、知りたいデータにたどり着くことが難しい、あるいは、母集団が小さすぎてサンプリングされてしまい、手に入らないなんてことがあります。
そこで、Google Analytics において1プロパティに対してビューを複数持つことを検討しましょう。
Google Analytics におけるビューとは、言ってみれば最初からセグメントが掛かっているレポート画面を作ることです。
それなら、結局いつも見ているビューにセグメントを使えば同じかというと、そうでもありません。
セグメントとビューの違いはいくつかあります。
- ユーザー権限管理や目標設定などは、ビューレベルでしか設定できません。
- 蓄積されるデータそのものから対象だけを取り出すフィルタを使用できますので、データをとりだした上で抽出するセグメントと違ってあらゆるレポート画面で適応可能です。(データが少ないので結果を表示できないとはなりません。)
- サブドメインや特定ディレクトリだけなどを抽出したデータが確認できます。
こうしたビューレベルが持つ機能を鑑みると、例えば以下の様な場合、セグメントではなくビューを分ける方が合理的と言えます。
- 会員領域と非会員領域がある。
- インセンティブがあるキャンペーンなどターゲット層以外の流入も恒常的に多い。(広告とそれ以外に分ける。)
- 当 Access Reporter™ サイトのように、サービス説明と読み物といった、目的(ゴールや KPI )が違うコンテンツが複数同居している。
- 専門家向けと一般向けと言ったような、閲覧者属性(見せるもの見たいもの)が全く異なるコンテンツが複数同居している。
- 制作会社や広告代理店といった外部パートナーが居て、それぞれに見せる情報をコントロールしたい。(もちろん、社内の部署別に分けるなども。)
これらはセグメントだけでは対応が難しい、あるいはできないので、必然的にビューを分けることになるでしょう。
また、セグメントで十分だとしても、レポートを見る際に、いちいちセグメントを切り替える手間がなくなり、結果セグメント掛け忘れてるのを知らず、間違った判断をしてしまうような事がなくなるといった利用上のメリットもあります。
1つの Webサイトしか所有していなくても、ビューを使い分けてみると意外と利便性が高くなりますので、是非お試しを。
ただし、ビュー作成時点以前のデータは参照できないので、最初の時点で設計しておくことを忘れないようにしてください。