アクセス解析をする際は、ページを見ている人の心情を踏まえる
BtoB の場合、いきなり Webサイトで物が売れる業態ばかりではありません。例え鉛筆一本でも、新規取引である場合は、『まず見積がほしい』『先に取引先登録と取引基本契約書を』などがあることは珍しくありません。
つまり、企業間取引においては、その見込み顧客の契約開始までの検討プロセスを把握した上で、どこまでを Webサイトに持たせるのかが念頭に無いと話になりません。
単に、『当社は何屋です。サービスラインナップはこんな感じです。問合せください。』では、なかなか問合せの数と質が増えません。できるだけ綿密な、細分化された問合せまでの見込み顧客の検討プロセスを書き出し、それに応えられる情報やツールを Webサイトに載せなければ意味がありません。
ショーウィンドウ型の Webサイトでは、アクセス解析をしても、大きな気づきを得ることができないことは往々にしてあります。
例えば、以下の様に見込み顧客の検討プロセスを書き出し、それに応えられる情報やツールを並べ、Webサイトとして構築したとしましょう。Webサイトのゴールは、問合せとします。
想定されるフロー順に、ナビゲーション上に対応するコンテンツを配置したとして、その通りに訪問者は閲覧したとします。
閲覧者の離脱の傾向は、フローの両端である最初と最後は離脱率が高く(最初は閲覧者の先入観とのギャップで離れる。最後は用が済んだので離れる。)、その間は離脱率が比較的一定(説明の各ステップで条件に合わない方が離れる。)というのが論理的な離脱モデルになります。
これに沿わない場合、疑われるのは以下の様なことでしょう。
- そもそも見込み顧客のニーズ(検討可能な条件)に商品/サービスが合致していない。
- 見込み顧客は、想定したような検討プロセスで動いていない。
- フロー後半に至るまでに商品/サービスの外形が不明で、末端情報に至る前に引き返すきっかけがない。
- 各ページにおける伝えたいことがわかりやすくない(見づらい、長いなども含む)ため、閲覧者の興味が持続しない。(最後の数ページの閲覧はほぼ義務的に見ているだけになっている。)
- コンテンツの中で、検討プロセスに応えられていない箇所がある。
- 枝葉の情報が、フロー図の間に多く指し挟まってしまっている。
最初に挙げた疑義が浮かぶのであれば、Web 以前の話(インターネットのせいではない)なのですが、一応挙げておきます。
数字が良いか悪いかは、閲覧者の心理に合致しているか、いないか、に置き換えて考えると、活きた解析ができますので、是非、数字の背景に目を向けましょう。