運営のやる気を鼓舞する(?)Analytics コホート分析

対目標進捗ばかり気にしてアクセス解析を日々している(しすぎている)と、無駄を排除する部分最適化という視点ではほぼ完璧に近づける傾向があるものの、成果を拡大するという視点が抜け落ちがちになります。
予算と成果を考えると、拡大する博打をするよりは、無駄を削った方がいいという判断になりやすいという背景もあるでしょうが、時には俯瞰的な視点でデータを読むことが重要です。

その方法の一つが、Google Analytics のコホート分析です。メニューで言えば、『ユーザー』の中にあります。コホート分析という言い方は一般的ではないですが、医学特に疫学の分野では、コホート研究というものがあります。
コホート(英: cohort )とは、ある共通点を持った集団の事を指し、その集団を一定期間追跡して他と比較するのをコホート研究と言います。今まさに新型コロナウィルス流行のさなかで積極的に行われていることですね。

話を戻しますと、アクセス解析におけるコホート分析は、リピート率やリピート頻度とコンバージョン率の相関関係を時系列、年齢や性別などの訪問者属性、初訪問時の訪問経路に集団をまとめて分析し、プッシュプロモーションの計画を立案するために利用します。
ECサイトでは、定番の分析の一つで、母集団の区切り方や、成果定義を何にするかなど、色々なやり方があり、組合わせによっては、また別の名称が付いた分析だったりします。

で、このコラムのメインは、”BtoBサイトで” なので、そこにフォーカスしますと、コホート分析はずばり、ごく普通の BtoB サイトにはそれほど役に立ちません。
ですが、”1ヶ月前の訪問者が、その後再訪している率や期間はざっとどのくらいか” “初回でコンバージョンしなかった場合、何度目の訪問でコンバージョンする、あるいは、どれくらいの期間を経過すると再検討しているのか” などを俯瞰的に見ることができます。
つまり、体系的なデータに基づく確度の高い明確な改善点を発見する手合いのレポートではないのですが、データの読み手次第で、ざっくりと今の取り組みとターゲットのギャップを類推することが可能なレポートではあります。

特に、『毎週メルマガ送っているけど、リピート獲得に寄与しているのかな?』とか『先月はいいネタでコラムを結構アップできたけど、ファンは定着したかな?』などの解を知る上では視覚的に有効なレポートではあります。
できれば、期間をできるだけ長く見た方が変化があって見栄えがいいので、お暇なときにでも見てみられると良いと思います。