サイトを移転するときには使っておきたい Search Console の「アドレス変更ツール」

Webサイトを設置しているドメインを変更する際、最も気になるのは、Google オーガニックリストからのトラフィックの減少ではないでしょうか。
これを完全に回避することはできませんが、Search Console の「アドレス変更ツール」を使う事で緩和することは可能です。

尚、このツールを使用するには、すでに移転後のドメインの Search Console プロパティが作成されており、かつ、移転前、移転後双方に対する、Search Console の確認済み所有者(オーナー)権限が必要です。
また、事前準備として、移転前の Webサイトから移転後の Webサイトに対するページ毎に 1 対 1 で対応した 301 リダイレクトを実装します。これは、このツールを使わないとしても必ず行うべき事です。

肝心のアドレス変更ツールですが、Search Console の「設定」メニュー内にあります。

Search Console 「設定」メニュー内にあるアドレス変更ツール

Search Console 「設定」メニュー内にあるアドレス変更ツール

後は画面に従っていくことで、Google が移転前のチェックを行い、問題があれば警告を表示してくれます。警告がある場合は、移転の前に必ず修正しましょう。
尚、Google は、少なくとも 180 日間、移転前の Webサイトから移転後の Webサイトに対するリダイレクトを維持するように示唆してますので、アドレス変更ツールを使った後に、すぐ移転前のドメインをクローズしていいというわけではありませんので、ご注意を。

このアドレス変更ツールですが、以下の場合は使わないようにと明記されていますので、この点も注意してください。

  • http から https へのアドレス変更
  • 同じドメイン内におけるサブドメインの変更
  • 同じドメイン内におけるディレクトリやファイルの移動
  • URL の変更を伴わないサイトの引っ越し(サーバのリプレースなど)

 

サイトの構造自体が変わってしまう(ディレクトリやファイル名が新旧で異なる)ような移転の場合でも有効な手段ですが、このツールを使ったとしても、検索エンジンとしてサイト構造の変更による再評価は行われるので、順位自体は大きく変わる可能性はあります。

最後に改めて。アドレス変更ツールは、Google が新サイトをいち早く、より確実に認識するための補助的なツールという位置づけですので、サイト移転における Google オーガニックリストからのトラフィックの減少を完全に回避できるものでないことは肝に銘じてください。