決定回避の法則というものを意識してページを作る

一言にアクセス解析と言っても、その解析の仕方、つまり、何を軸にどんな数字をどう評価するのかは、サイトによって異なってきます。
理論はあっても、それが実際に正しい結果に繋がるかはなんとも言えないところです。

アクセス解析によって明らかにしたいことは、より目標到達数(率)を増やすために、改善できる箇所を見つける事というのが、ほぼ共通した目的でしょう。
それをブレイクダウンすると、『より平均ページビュー数を増やすためには』『よりアクセス数を増やすためには』などになっていきます。
アクセス数を増やすことは、自分(ウェブマスターや広告宣伝マーケ担当者)が仕掛けた結果ですので、数字を見る必要性がありますし、何を見ればいいかは比較的簡単でしょう。
一方、得た訪問者を目的に到達させるにはという、サイトの中での話は、なかなかに複雑で難しい話になります。これは、この一連のコラムでも色々取り上げてきているものです。

今回は「決定回避の法則を意識して考える」事について、触れたいと思います。決定回避の法則というのは要するに、選択肢が多すぎると選択することが苦痛になって選択を拒否するというヤツです。
コンテンツが拡充すると、ページ上にぎっしりリンクが並ぶことになります。ある一定量を超えるとページの直帰率が急に悪化するという事象が Webサイトに起きることがあります。
これが、決定回避の法則のしきい値を超えた瞬間というわけで、私もアクセス解析を行っていると、たまに原因として疑われるケースにぶち当たる事があります。

このテーマにおける解決策は、トップページやカテゴリトップページなど、主要なハブとなるページ上に存在するアンカーを左上から右下の順に並べ、それぞれ移動した率を調べることです。
そして、移動率がほとんど無いページ上の位置が下位のリンクは、決定回避の法則に寄与していることも疑われる、つまり、単にクリックされないのではなく、存在自体が全体の離脱率を上げている可能性もあるため、ページ上から削除することを検討しましょう。
一方、ページ上の位置は上位でないにもかかわらず移動率が高いアンカーは、より扱いをよくするなども改善策の一つとして検討されます。

これは、商品一覧ページなどにおいても 1 ページに何件を表示させるのが適切かを図る方法の一つともなっていますので、是非一度調査してみることをお勧めします。