覚えておきたい正しい定義。ユニークユーザー?セッション数?
何かにつけて、横文字やら造語が多いインターネット界隈ですが、アクセス解析で必ず登場する「数え方の定義」、皆さん正しく理解されていますでしょうか。
「ユニークユーザーって、ユーザーって言うくらいだから単位は、人。え?違うの?」なんて、知っているようで厳密に言うと混同してしまっていそうな数え方の単位をちょっと整理してみました。
訪問者の行動のそれぞれに対して、ざっと以下の様な数え方の定義があります。
- ユニークユーザー
- セッション
- ページビュー
- 直帰
- 離脱
- アクセス
- ヒット
以下に定義を解説しますが、そもそもアクセス解析は、ある一定期間における集計を行うことから、全ての冒頭に「一定期間において」という冠が付くとお考えください。
- ユニークユーザー
略称で「UU」などとも書かれます。直訳すると「重複しない人(の数)」を指し、重複している人は(同じ人が訪問しても)本来カウントしないはずですが、インターネットの向こう側にいる誰かを特定することなんてできませんので、直訳通りではありません。
正解に比較的近い定義は「ユニークブラウザ数をカウントした数値」です。
最も正確な定義は、任意の集計期間において1回目の訪問であるブラウザの数。そしてその判定は、多くの場合Cookieで行われますので、このサイトの有効なCookieを持っていない状態でサイトを訪問したブラウザの数をカウントしています。
でも、こんな定義をまじめに考えると、有効な分析なんかそもそもできなくなってしまいますので、「訪問してきたユニークなブラウザ数をカウントした数値」あるいはもっとざっくりと「サイトに来た人数」(結局それかい!)と考える方が、精神衛生上健全です。
日本語では便宜的に「訪問者数」と言われます。 - セッション
日本語では「訪問回数」や「訪問件数」と言われます。同一人物であろうがなかろうが、サイトに訪問があった総回数をカウントしたものです。訪問後、何ページ見ても1セッションとしかカウントされません。
尚、セッションが途切れる(再びページを表示した場合に新たに1セッションが加算される)のは、前のページを表示してからX秒以内とアクセス解析ツール側で定義されます。なので、アクセス解析を乗り換えると何もしてないのに変動することがある数字なのでお気を付けください。 - ページビュー
略称で「PV」などとも書かれます。何ページ出力(表示)されたかをカウントしたものです。同じページをリロードし続ければ、(アクセス解析ツール側で何も対策をしていない場合)ひたすら数値が増えていきますので、そのようなことはされないようにお願いします。
このページビュー数をセッション数で割ったものを「平均ページビュー数」と呼び、サイト改善において重要視される指標になります。 - 直帰
サイト内で最初に見られたページから、どこにも移動することなく、サイトを去ってしまったセッションをカウントしたものです。「サイトを去る」ということを現実に確認することはできませんので、一定時間内に他のページに移動しなかったことを以て、直帰としています。 - 離脱
カウントの仕組みは直帰と同じですが、こちらは単純にサイトを去る直前ページに対してカウントされます。アクセス解析においては「離脱が多いページは課題が何かしらある」というような使い方をします。
アクセス解析ツールやその設定によって、”離脱数に直帰数を包含してカウントしている場合(セッション数=離脱数)”、”離脱数に直帰数を除外してカウントしている場合(離脱数と直帰数の合計=セッション数)”があります。 - アクセス
アクセス数は、ほぼ俗称に近い使われ方をしており、明確な定義が存在していないと言ってもいいでしょう。強いて言えば、セッションに近い意味を持っていますが、アクセス解析が一般化し、他の言葉が有名になったことで、アクセス数という言葉は徐々に意味を失ってきています。
「アクセス数は?」と聞かれたら「訪問件数○○○○件で、ページビューだと××××ページです。」みたいな答え方が穏当です。 - ヒット数
最もシステム寄りの言葉で、昔からある言い方です。定義は、リクエストされた全てのファイル数です。ブラウザで1ページを表示した場合、ページビューに1カウントされますが、そのページには、様々な画像ファイルやCSSといったレイアウトを定義するファイル、Javascriptのような挙動を司るファイルなど、様々なファイルが従属してきます。
これら画像やらのファイル1つ1つが全て、ヒット数としてカウントされます。
ですので、アクセス解析ではあまり登場することがない言葉です。
簡易的ですが、アクセス解析の実態として例を挙げて当てはめてみると以下の様な図になります。
定義を明確にしておくことが、より正しい改善案への近道です。是非覚えておきましょう。