BtoB 企業のインターネット広告戦術
正直、BtoB 企業が広告宣伝を行う意味合いはそれほど大きくありません。TVCM でも、最近ちらほらと BtoB 企業が見受けられますが、特定の製品・サービスの CM というより、企業広告が大半です。目的の多くは、採用向け等での認知度向上でしょう。BtoB 企業において、商売の視点で言った場合の広告宣伝は、多くの場合 “実利的な効率” が悪いのです。
その “効率” を鑑みた場合、インターネット広告は良く見えます。何せ、数字が測りやすく、成果に近い報酬体系のものも多く、マス広告に比べれば予算も少なくて済むわけですから。
さらに、インターネット広告とアクセス解析は、非常に相性が良く強力な組み合わせに見えます。BtoB ビジネスを行っている企業の多くにおいて、この組み合わせを想定して集客予算を使い始めるケースは多いことでしょう。
しかし、扱う人間が集客の目的と論理を理解していないと、一瞬にして間違った方向へ大きく舵を切ってしまうことになり、期待外れに終わることも多いです。
まず、広告とひとえに言っても、その目的が “広告” なのか、”宣伝” なのか、”リード獲得” なのか、”販売促進” なのか、それぞれの割合がどうなっているのかが明確である必要があります。
“広告” は、広く告げること、リーチが最大化されることが重要です。
“宣伝” は、宣べ伝えること、伝えたい内容が理解されることが重要です。
“リード獲得” は、営業活動に寄与する有効な見込顧客の獲得数が重要です。
“販売促進” は、販売数量が重要となります。
こうして分けると、それぞれの目的において見るべき数値は異なることは想像に難くないでしょう。そして、多くの BtoB 企業は、”リード獲得” や “販売促進” に寄った集客戦術をイメージすると思います。
ただ、この “リード獲得” や “販売促進” を目的の大半として戦術を展開する場合、予算配分の観点から、見込顧客の購買決定プロセスの終端に近い(買う直前)に偏重する媒体やセグメントを選びがちです。
この戦術を採り、成功するためには、当然ながらその製品・サービス自体が、競合他社と並んで勝てるという前提が必要になります。当然ながら、ブランド力(知名度)も購買決定要素として重きを占めるでしょう。
アクセス解析のコンバージョン数値だけを見ていくと、必ず効率を極大化する縮小均衡に向かい、成果獲得数の伸張は難しくなるどころか、どう改善しても損益分岐点をクリアせず手詰まりになることが多くあります。
インターネットは数字が明確に出るので、戦術や仮説の展開が容易ではありますが、そこだけを見ていると広がりは無いことは、頭に置いておくべきです。
仮に、”リード獲得” や “販売促進” をインターネット広告の重視する目的とするならば、インターネット以外における広報活動も含む、広告宣伝活動がどれだけできているのかを算定した上で行いましょう。